2012年の皆既日食で天体写真の面白さを思い出し、2013年にC11を持ち出して写真を撮り始め、それっぽい写真が撮れるようになったのが2014年。そこから仕事で間が飛んで、2017年に少し活動してから再休眠。
ソンブレロ銀河 M104
球状星団 M3
北天で最大級の球状星団、距離は3万光年強。球状星団というのはどうも矮小銀河核らしいが、それらが百個ほどこの銀河系の周りを飛び回っているかと思うと面白い。球状星団はどれも似たような見た目ではあるが、個人的には好きな天体。特にM3は初めて見た球状星団で、中学二年の春の夜にVixen ED102Sで見たボンヤリとした光のボールは感動的だった。
2016/5 アメリカにて撮影、C11 + Starizonaレデューサ + SXVR-H18、露出3h。C11持って海を渡ったんだから酔狂なものだ。ただ、せっかく外国に行っても、北半球なので見えるものは日本と一緒なんですけどね…。
遅まきながらこの頃にようやく画像処理ソフトPixInsightを使い始めた。この画像でMaskedStrechを使って、その輝度圧縮能力に驚いた記憶がある。
子持ち銀河 M51
りょうけん座の明るい銀河、距離2300万光年。大きな伴星雲が見どころ。眼視でもC11なら本体から伴星雲まで伸びる渦が見える。伴星雲の重力によって本体の銀河の腕が少し歪んで、伴星雲に引き寄せられている。また、伴星雲の影響で活発な星形成が行われているため、赤い星雲(HII領域)が多数みられる。
2015/3撮影、C11 + Starizonaレデューサ + SXVR-H18、総露出5h40m。C11による一つの到達点と考えている画像。まだいくらか改善はできるだろうけど、大変だろうなぁ。それやって幸せになれるかはわからない。レデューサは試行錯誤の上でStarizona社製SCT corrector/reducer LF(f=2000mmのF7.2)に行きついた。StarlightXpress社製LodestarX2によるオフアキシスガイド。L-RGB合成だが、L画像にHαを足している。シーイングはあまりよくなくてFWHM=3.0arcsec。解像度の高いsub frame画像を選別して高輝度部に使用してみたが、意図通り解像感は上がったように思う。
網状星雲(西)
はくちょう座の翼のあたりにある超新星残骸。8000年前の超新星爆発で吹き飛ばされたガスで、現在も拡大中。(西)とわざわざ書くのは(東)もあるからで、もっと広角なら全周で大体丸い姿が写る。青が酸素の輝線はいいとして、赤は水素か窒素か。水素より重い元素はすべて星により生み出されたもの、我ら全て星屑の生まれ変わり。
2014/10撮影、C11 + 純正レデューサ + SXVR-H18、総露出時間4h弱。この頃はC11の主鏡の傾きによる星像の非対称な崩れや純正レデューサによる限界に悩まされていた。撮影手法としてこの写真の目新しい点はL-RGB合成でL画像にUHCフィルタを使っているあたり。
この写真、解像度がFWHM=2.4"とかなり高い。色々調べてみるに全国的に見てもやはり中国地方はシーイングの面で恵まれているようだ。
球状星団 M13
北天で最大の球状星団。ヘラクレス座、距離2万光年強。 見ていて清々しくなる星の大集団。黄色い星々の間に散らばる青色はぐれ星が美しい。
2014/5撮影、C11 + 純正レデューサ + SXVR-H18、総露出時間3h30mくらい。 この写真は「奇跡の一枚」の類で、この夜は異様にシーイングが良くほとんど星が揺れなかった。結果としてFWHM=2.0arcsecとなり、これは2019年現在でもベストである。
2012/11/14 皆既日食 in オーストラリア
こういう一発物のイベント、自分は運がいいのか悪いのかよくわからない。
2009/7皆既日食@上海は曇りから土砂降りになって全滅。2012/5の金環日食@西日本は晴れ間を探して爆走してギリギリで晴れ。この皆既日食は雨の中で現地入りし、太陽が欠け始めてもなお厚い雲に覆われていたのが、皆既の1分前に奇跡的に晴れ、皆既が終わった直後にまた曇り。
皆既日食は初めて見たが、あれはすごい。中毒性があるのも分かるね。現地滞在20時間で20万円という弾丸ツアーだが、それだけの価値はあった。この写真自体は大したことないが、イベントものということで上げておくことにする。この翌年から真面目に天体写真を再開した。